こんにちは。Mr.さわぐるみです。
 前回は光を求めて早春の一時期だけ地上に現れるスプリングエフェメラルのお話でしたが、こんな植物たちが現れるほど、光の獲得は植物にとって切実な問題なんです。
という訳で、もう少し光合成のお話をしたいと思います。

14.光合成(8)

 樹木の光合成(≒生長)には光が欠かせませんが、単純に光が強ければいいと言う訳ではありません。他には水・CO2、無機養分も欠かせませんし、温度や風などの条件も光合成に影響を及ぼします。

 (光合成に影響を及ぼす環境条件)
1. 
 下の図は、光の強さがいろいろに変わったときの光合成量をあらわしたグラフです(光 − 光合成曲線とか、ライトカーブと呼ばれます)。図の横軸は光の強さを表していて、左端がゼロ(真っ暗)、右へ行くほど明るくなります。縦軸は見かけの光合成量脱線1)です。
光の強さと光合成の関係を、光が弱いほうから順に見ていくと、

: 光が非常に弱いとき
光が非常に弱いときは、光合成の量も僅かになります。植物も動物と同じように明るさに関わらず一定量(脱線2)の呼吸をする必要があるので、この時見かけの光合成量はゼロよりも小さくなってしまい、CO2を放出します。光合成量と呼吸量がつり合うときの光の強さを「光補償点」といいます。光が補償点よりも弱い状態が長く続くと、植物は栄養を使い果たしてしまい、生存することができません。

: 光が強くなるにつれて、光合成量も増えていくとき
光が補償点よりも強ければ、植物はとりあえず生存することができます。しかし、光が強くなるにつれて光合成量も増すAの状態の時は、植物にとってまだ光が十分とはいえません。言い換えると、他の要因は十分足りているのに光だけが不足して光合成を制限しているのです。

: 光が十分に強いとき
光が十分に強くなると、それ以上いくら光を当てても光合成量が増えなくなります。暗反応(コラム9)の能力が、明反応に追いつかなくなるからです。言い換えると、光の強さ以外の要因が光合成を制限しているのです。この時の光の強さを「光飽和点」といいます。


光の強さと光合成の関係




 このように環境条件と光合成の関係を知ることは、植物にとってその場所が生育に適しているか、健全に生育できているかどうかを知る目安にもなります。最近はCO2の吸収機能が注目されている光合成ですが、植物たちがどのようにして生活しているかを表すバロメーターにもなるのです(このことはまた別の機会にお話します)。
 次回は、光合成における光以外の条件についてお話します。


脱線



ご挨拶
19 「森の回廊」より(3)
18 「森の回廊」より(2)
17 「森の回廊」より(1)
16 光合成(10)
15 光合成(9)
14 光合成(8)
13 春植物
12 樹が水を運ぶしくみ
11 蒸散
10 光合成(7)
9 光合成(6)
8 光合成(5)
7 光合成(4)
6 光合成(3)
5 光合成(2)
4 光合成(1)
3 植物の身の守りかた
2 アレロパシー(2)
1 アレロパシー(1)