こんにちは。Mr.さわぐるみです。
今回は前回に引き続き「第3回 『森林の回廊』公開フォーラム」の紹介をします。

18.「森林の回廊」フォーラムに参加して(2)

 藤森隆郎先生(日本林業技術協会)の講演 
  「環境・生態系保全と経済林業を巡って」(2)

2.目標林型と森林管理

 前回話しましたように、全ての機能を最高に発揮する森はできません(脱線1)。
森林の機能を発揮させるためには、「一つの森でアレもコレも」ではなく

イ) 「どの機能を重視し、そのためにどの林型を目標にするのか」をきちんと定める事
ロ) 「どのタイプ(天然林・人工林)の森か」だけでなく、「どの発達段階」を目指すかまで考慮する事
ハ) 「どの発達段階であれば、どの機能が高くなるか」をよく知る事

 が大切だそうです。
 さらに、その際の留意点として以下の事をあげられました。

a) 森林の時間軸の長さを考慮すること。
人工林・天然林それぞれにいろんな発達段階があり、それぞれ機能も違います。これを念頭におかず、どっちのタイプの森がいいと比べることは意味がありません。例えば、100年生の人工林は、30年生の天然林よりも環境保全的機能が高くなります(脱線2)。

b) どの機能がどの程度満たされていればよいか、は流域ごとにきちんと合意し、ゾーニングを行うこと。

同じ機能の森ばかりを偏って配置せず、地域でバランス良く配置されるように合意が必要です。例えば生産林ばかりを一面に配置せず、老齢段階の森も適度に配置する必要があります。
(現在の行政がすすめるゾーニングよりも、生態的根拠をより重視する必要があるそうです)

c) 同じ目標の森ばかり1ヶ所に集めるのはよくない。
「山が荒れている」と良く言われていますが、「それは具体的にはどういう状態なのか?」を明確にし、そのうえで「どういう森にしたいのか?」を議論することが大事なんですね。

藤森先生は、目的とする機能とそのために目指す林型・発達段階を下表のように区分されています。
(但し、いずれを目指すにしても選択肢を広げる上で、間伐はドンドンするべきとのことです)

表−2 新たな機能区分と目標林型などの関係(藤森先生の講義資料より)



 例えば、木材生産を行いつつ水源涵養機能もある程度のレベルにしたいならば、人工林・天然林いずれでも成熟段階を目標林型にしますが、水土保全機能を第一に求めるならば、労力とコストのかからない天然林の老齢段階を目標にすべきです(脱線3)。

続きは次回にお話します。

脱線



ご挨拶
19 「森の回廊」より(3)
18 「森の回廊」より(2)
17 「森の回廊」より(1)
16 光合成(10)
15 光合成(9)
14 光合成(8)
13 春植物
12 樹が水を運ぶしくみ
11 蒸散
10 光合成(7)
9 光合成(6)
8 光合成(5)
7 光合成(4)
6 光合成(3)
5 光合成(2)
4 光合成(1)
3 植物の身の守りかた
2 アレロパシー(2)
1 アレロパシー(1)