脱線
 よく「森には水源涵養機能がある」といわれますが、これは樹木が直接的に働いているわけではありません。大事なのは森林が育てる土壌の働きです。もちろん土壌ができるには樹木が必要ですし、樹冠や落ち葉が雨滴の勢いを和らげたり、日陰にして地表面からの蒸発を減らす働きもありますが、樹木自身は蒸散により、大量の水を消費します。
 間伐遅れの放置林や、高品質材の生産を優先した一部の林業地のように、表土が流されて貧弱になった林では、多くの木があっても水源涵養機能を十分には果たせないわけです(全く無いわけではありませんが、その話はまた別の機会にします)。
落葉樹林は葉を多く落として早く土壌ができるため、針葉樹林よりも保水力が高いと言われます。しかし、これは樹種の違いというよりも、それらが生えている土壌の違い、過去の撹乱の度合いが大きく影響しているようです。若い造林地とブナの成熟林では比較になりませんが、成熟したスギ林の場合は保水力がブナ林に劣らない場所もあるようです。



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ご挨拶
19 「森の回廊」より(3)
18 「森の回廊」より(2)
17 「森の回廊」より(1)
16 光合成(10)
15 光合成(9)
14 光合成(8)
13 春植物
12 樹が水を運ぶしくみ
11 蒸散
10 光合成(7)
9 光合成(6)
8 光合成(5)
7 光合成(4)
6 光合成(3)
5 光合成(2)
4 光合成(1)
3 植物の身の守りかた
2 アレロパシー(2)
1 アレロパシー(1)