脱線1

 春先の葉の色が黄色(シイ類など)や赤(カナメモチなど)など、緑色以外の葉をした樹木は結構あります。これは葉の中で葉緑素よりも赤や黄色の色素(アントシアニン、カロチンなど)が先にできるため、その色が見えているのです。ちなみに秋の落葉時期には逆に葉緑素が先に分解してしまうため、残った色素の色が見えて、いわゆる紅葉の色に変わります。
 さらに余談ですが、ある種のカエデの変種には年中真っ赤な葉をつけたままで緑色にならない種類があります。どうやって光合成をしてるのか不思議でしたが、どうやら葉緑素が不足しているわけではなく、緑色がかすんでしまうぐらい大量のアントシアニン色素を合成しているらしいです。


脱線2

 下草刈りの作業は草丈が一番高くなる真夏に行うのが一般的ですが、雑草木の成長パターンは一様ではありません。夏の間も地上部の茎や葉に栄養を回し続け、晩夏以降に根や地下茎に栄養を蓄え始める草もある一方で、6〜7月は日照時間も長く、苗木(スギ・ヒノキ含)にとって一年で一番盛んに生長する時期です。
だから苗木を早く育てるにはこの時期に光を当てることが重要で、7月下旬以降の下刈りでは遅いんですね(このあたり、2002年8月号の林業新知識「鋸谷式新育林マニュアル」に載っていました)。どうも下刈りは真夏の炎天下にヒーヒー言いながらやるよりも、梅雨明け前に行った方が良いようです。「下刈りは真夏!」の固定観念にとらわれず、苗木と雑草木それぞれの生態をよく知った上で、その土地にあった時期に行うのが効果的と思われます。


脱線3

 暗い森の中でも一日中暗いわけではなく、太陽が動くにつれて樹冠の隙間から木漏れ日(光斑とかサンフレックと呼ばれます)が差し込む瞬間があります。その木漏れ日の当たる僅かな時間(長くても十数分)にすばやく反応し、一日の光合成の殆どを済ませてしまう樹種もあります。


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ご挨拶
19 「森の回廊」より(3)
18 「森の回廊」より(2)
17 「森の回廊」より(1)
16 光合成(10)
15 光合成(9)
14 光合成(8)
13 春植物
12 樹が水を運ぶしくみ
11 蒸散
10 光合成(7)
9 光合成(6)
8 光合成(5)
7 光合成(4)
6 光合成(3)
5 光合成(2)
4 光合成(1)
3 植物の身の守りかた
2 アレロパシー(2)
1 アレロパシー(1)