ガッテラ「魅惑の八日間」全日程を終了しました。
今回の試みは、講師を務める側にとって、とても大きな収穫がありました。
一泊二日×4回の短期間で、
どれだけのことを伝えられるか?
身につけていただけるか?
その変化を毎週確認し、
知識量、技量、個性による違いを判断しつつ、
時に継続し、時に変更し、あれこれチャレンジできました。

感想文をお読みください。





 3月30日から始まった「合宿寺子屋 魅惑の8日間」。最終日の4月28日をもって全日程を終えました。
 1泊2日×4回で訓練時間は54時間,自宅から現場までの往復920キロ×4回=3680キロで要した移動時間は60時間,合わせてとても充実した114時間でした。
 最初は手元で暴れていたけど最後は落ち着いてきたチェンソー。それは数々の知識と技術と経験が有機的に体の中で絡み合い始めた瞬間でした。
 その習った技術は,ロープワーク9種類に関する理論と実践,調整能力向上運動,チェンソーの刃の目立てとメンテナンス,チェンソー伐倒の設計の理論と実践,スタンスの取り方と伐倒方向の見定め方,ガイドバーの平行感覚,受け口と追い口の切削技術,かかり木処理の理論と実践,造材技術,枝払い技術,安全確保の感覚(視覚,聴覚,気配,合図の内容&方法&タイミング,発声技術),などなど,それぞれ奥がとても深いものでした。
 エンジンをかける前の静寂からエンジン全開になるときの高ぶる心,それとは反対に冷静な頭と少しずつでユックリですが意図したとおりに動き始めた手足。チェンソー伐倒が楽しくなり始める瞬間を感じました。
 優秀な指導者とカリキュラムによれば,短時間でかなりのレベルアップが期待できるということを,林業普及指導員の立場で感じることができてとても嬉しく思います。
 この度のような訓練を経験せずに,慌てて急いで不正確に現場でいきなりフル回転させられる新人たちが,楽しいと思わずに苦労しながら作業を続けてその挙句に怪我をして,やる気も失せてやがては辞めていく現実をなんとかしたい,と気持ちを新たにして,今月の中旬から私のホームグラウンド広島県で始まる現場指導者育成研修の運営に臨みます。
 お世話になった関係者の皆様,本当にありがとうございました。
 でも,これが最後ではないのでまた必ずお会いしましょう!

                         (I.S.さん 広島県)




 「(ロープを)引いて!」
と、Sさんの威勢の良い声が響き渡った最終日の午後・・・。
 全日程を通してご一緒させて頂いたSさんと、牽引伐倒での役割を交互に分担する中で、この人は自分の親方ではないか?と思う瞬間でした!二人以上の作業を前提とする伐倒では、作業者全員が息を合わせる事。そして、伐倒計画から木を完全に「寝かせる」まで、伐り手が明確な指示を出さなければ、計画は崩れ、大きな災害にも繋がりかねない、という事を改めて実感する実技研修でした。そして、チェンソーの構え方から声の出し方まで、講師から指摘を受けて日に日に変化していくSさんと自分を何度も比べてしまいました。
 自らの不注意から九死に一生を得て、これまでを振り返った数か月を経て、周囲の方々の思いを無視してまで現場に復帰する事を選んだ自分の決意を確かめる為、「失敗を繰り返してきた自分、その原因を突き止め、そして自分を変える!」為の参加でした。大袈裟かもしれませんが、真剣でした。
 八日間を通してわかった事は、「夢中になると周りが見えなくなる」、「一つの事に拘り過ぎる」、「すぐに思い上る」、「飲み込みは遅いが、型にはまれば苦にならない」、「一つ一つの作業は正確に出来ても、それを繋ぐ段階でボロが出る」などなどでした。「ん~、やはり現場作業員にとって、これはかなり致命的なのでは?」と思わなくもないのですが、大事なのは、自己を知った上でのコントロール。自分の場合、人よりも一歩二歩手前で踏み止まり確認作業を怠らない事が、様々な危険を回避し、引いては効率的な作業にも繋がるのだと納得しました。
 この経験を如何に日々の作業に活かすか・・・。
 五日間、長野の現場で仕事し、週末岐阜で研修、という生活を1ヶ月余り過ごした中で、「すべては朝で決まる」という事を実感しました。「寝起きが良かったか」、「しっかり朝食を取れたか」、「気持ちに余裕を持って家を出れたか」などによって、その日一日の作業効率も、疲れ方も全てが違いました。良い日は、研修内容を反芻しながら作業でき、いろんな事に機転が利く自分。方やダメな日はとことんダメ・・・そんな日が何日かありました。朝の出方は前日夜の過ごし方によって変わり、更に週末の終え方にも遡り・・・。「今更何を?!」と思われるかもしれず、お恥ずかしい限りです・・・。ようやく、本当にようやく気付く事ができました。
 何だか、技術や考え方を教わりに行ったのに、生き方そのものを教わった気がします。
 これで当初の目的は達成??いやいや、自分の変化は今は見えない。もっと長いスパンで、十年、二十年後を楽しみに、今を生き抜こう!と思える糧を、今回の研修で見つける事が出来ました。それは、「林業が、現場が、やっぱり好きだ!」という気持ち。今までぼんやりとしていた輪郭がはっきりと見えました。そして、これまでになかった夢がぼんやりと浮かび上がってきました。
そしていつの日か、自分にしか出来なかった経験を誰かに伝える日の為に・・・。
 すべては不安定な自分をコントロールしながら、「幸せ」という着地点に寝かせるまでの過程…?
足掻きながら、楽しみながら、日々全うしたいと思います!
 講師、スタッフ、参加者の皆様、本当に有り難う御座いました。

                         (T.Y.さん 長野県)